傑出するということ。

 昨年の電撃小説大賞の応募総数は2238作品だったそうだ。受賞作は確率にして0・1%以下という狭き門をくぐり抜けたことになる。そういう作品は、具体的に何が違うのだろうか、と思う。受賞作を読んでみてもよくわからない。

 どんな分野でも群集のなかから抜け出して傑出することはむずかしい。凡庸の群を抜け出して「特別」になるということに他ならないからだ。あたりまえの話だが、生まれつき「特別」ではないものが「特別」になることは至難である。

 「特別」な人間はどこが「特別」なのだろう? 「特別」な作品はどこが「特別」なのだろうか? わからないまま、今日も、書く。