感想会を振り返って

 言い出しっぺとして,感想会について簡単に報告をさせてもらいます。早めに報告するつもりでしたがリアルの方がどたばたしてて遅くなりました……申し訳ない。


 さて,前回のオフ会の経緯を踏まえ,新しい方式での感想会を試してみました。22時から開始して,本題が終わったのが1時くらい。間に雑談を挟みつつ(雑談の方が多かったかも),和気藹々といった雰囲気で進みました。

 作品の批評ですが,コンセプトの成否「熱いバカを描く」については,「半分成功,半分失敗」といった意見でした。「熱い」は及第点として,「バカ」がうまく表現できていなかった,という事です。これは,構成上の問題によるものでした。主人公の(下らない)動機を最後まで伏せていたために,最後まで単なる熱い話としか読めなかった,という事です。その点を回避すべく幾つか描写を挟んでいたのですが,その辺りの印象づけに失敗した形です。『演出はポイントを絞って,もっとあざとく!』というのが今回私が得た教訓です。

 唯野さんが翻案を提出してくれていたのですが,こちらが「バカ」を初っ端から読者に知らしめることに成功した例となっており,色々参考になりました。ただし,唯野案を採用すると物語のオチのバカらしさが半減するため,「では,唯野案の冒頭で,より面白い短編を作成するならどういうオチが良いかな?」という視点で色々議論しました。(結論は『スポ根にもっていけばいいんじゃね?』という事に……(笑 )

 という事で,発案者としてはまずまずの手応えを感じた次第です。リアルタイムである事と,ログを残さない事の気楽さは,やはり良い効果を生んだと思います。

 反省点もありました。最大の問題点として「ポジティブな批評」の難しさ,というものを実感しました。オフ会での意見にありましたが,『ポジティブな批評の方が,ネガティブなものより遙かに難しい』これは全くその通りですね。
 叩き台を提出した本人が「もっと褒めてくれ……(by福田吉兆)」と言うのも気が引けてしまい,誘導がイマイチ上手くできなかったというのも敗因の一つです。批評側に一人,ポジティブに誘導する役の人がいるといいですね。「凡作に対しても可能な限り美点を見いだす」という視点が,ひいては小説技法の向上に貢献する……と考えれば,褒めるモチベーションも上がると思うのですが,如何でしょうか?

 反省点がもう一点。コンセプトを提示したために,批評側がコンセプトを念頭に置いた読み方をしてしまった事です。これに関しては,「投げた原稿の最後に,批評して欲しい点を書いておけば良いんじゃね?」という意見があり,これは良い案だと思いました。次の人に期待。


 というわけで,私としては,初回にしては割と上手くいったのではないか,と思います。次にネタを投下する人が誰かは分かりませんが(そもそも投下する人がいるのか!?),参考にしていただければ幸いです。