構想その一  「とらタヌ!」

本命原稿で忙しいので書かないけど、構想案その一。
あまりにも多くの人が考えたにもかかわらず、不毛すぎて誰も書かなかったという題材です。




とらタヌ!


私立高校に通う俺はなんの取り柄も無い平凡なワナビだけど、ヒトとはちょっとだけ違った才能があった。
それは、トンでもなく優れた「妄想力」を持っていること。その凄まじい妄想から展開される物語の数々は奇想天外なものばかり。これならば間違いなく電撃で大賞がとれる!
そうしたらきっとデビュー作で緊急重版がかかって、イラストレーターにはのいぢ起用、アニメ化、そして遂に声優とゴール・イン!
「ちょっとちょっと、妄想ばっかりじゃなくて執筆進めたら?」
隣を見ると、そこには手の平サイズの少女が小さな羽を懸命にはためかせて宙に浮かんでいる。彼女はエリィ。俺の脳内彼女で、佐藤利奈ボイスでいつも俺を優しく叱咤激励してくれる。
「ほらほら、さっさとあたしを使いなさいよ・・・べ、別にアンタの心配してるわけじゃないんだからねっ!」
甘やかなくぎゅボイスを発しているのは俺の愛用するボールペンが擬人化した少女、リリィ。世界広しといえども、自分愛用のペンを萌え擬人化してるのなんて俺くらいのものだろう。
将来作家業が軌道に乗ったら、こいつらを主役にした話を作り、アニメ化して人々に知らしめるのが俺の夢だ。こいつらの為にも、俺は夢を追い続ける。
サイン会、シリーズの刊行順、アニメの構成・・・。いつか必ず来るであろう未来に思いを馳せ、俺は決意を新たにする。
「明日から、本気出す。」


執筆枚数、未だゼロ。


果たして「俺」は無事にプロデビューできるのか?!新世紀の開幕を告げる、エターナル・チェリー・ラブストーリー!



第一章「電撃一本。それ以外には応募しない」
第二章「俺の実力はこんなもんじゃないんだ」
第三章「リテラシーの低い馬鹿共がどうしてこうも多いんだ?!」
第四章「ラノベ新人賞総なめ・・・・・・悪くない」
最終章「4月11日」






・・・・・・ほら、私の自伝なんて誰も読みたくないでしょう?