救世の品格の感想

というか、愚痴。
序章は、最初のよりもはっきりよくなっていると思います。
主人公の目的や主人公とヒロインの関係が、おぼろげながらにも分かるので、物語に没入しやすい感じ。
ストーリーに差はないので、要するにそれ以外の描写テクニックでこうなる訳でしょう。描写のテクニックで差がつくのだろうということは、頭では分かっていましたが、こうもはっきり見えてしまうと、俺って全然だなあ、というのを思い知らされる印象。
序章でかなり読者を捕まえるので、一章以下は、余程の失敗をしなければ最後まで読んでもらえそうです。
以下、別の感想。
ただし、師匠との思い出というこの書き出しが良いかどうかは、判断を保留します。多分、最善ではないと思います。
逆接の語尾。「だが」「だけれど」「けどね」の使い分けの基準が分かりません。後ろ二つは少し気持ち悪い感じ。
ところどころ、台詞を誰がしゃべっているのか分かりにくい箇所があります。女性が普通っぽい話し口調で、格闘男が丁寧な口調なのは、その点で、多分失敗していると思います。
一つの長編でうまく描き分けられる人数は数人でしょう。主人公とヒロイン、主人公と戦うキングと林は、見せ所のあるキャラクターになるのでしょうから、それにプラスして、老人、秘書、ぬいぐるみを持った少女、イルゼ、デスマまでを丁寧に描くのは多分無理だと思います。
あと、最近のファンタジアでも、もう少し萌えが求められるんじゃないかなあ。他のレーベルなら言わずもがなですが。