作品批評。


 作品の批評にかんして様々な意見が出ていますが、ぼくとしては、自分の経験と照らし合わせても、肯定的であれ、否定的であれ、不特定多数の意見を受け容れて作品を変えるということがそもそも無理だろうと思っています。

 まあ、不可能とまではいわない。複数の意見のなかから有益な意見だけを取捨選択して作品に反映する能力があるひとなら可能でしょう。しかし、そういう限られたひと以外にとっては、不特定多数の意見を聴くことは無益どころか有害にすらなりえると思いますね。

 なぜなら、ひとの意見というものはそれぞれ異なっているし、場合によっては偏っているわけです。それらすべてを受け容れて作品に反映させることはできないし、もしやったら作品がめちゃくちゃなことになる。

 プロの作家でも同じだと思いますよ。たとえば、Amazonのレビューを容れて作品を向上させるということは無理でしょう。最近の『バクマン。』でファンの意見を取り入れて作品がぐちゃぐちゃになるというエピソードがありましたが、ああいうことになると思います。

 だから、ぼくはひとの意見を聞き入れようという行為そのものを推奨はしません。やりたければやってもらってかまいませんが、このサイトは小説家養成塾でも何でもなく、単なる同好の士が集まるサークル以上のものではないことはご承知おきください。

 結局、うまくなろうと思ったら、自分でかってにうまくなるより他にないわけです。特定少数の信頼できる人物の意見をもらう、ということならまた別でしょうが、不特定多数の意見を取り入れようということは、あまりいい結果を生まないように思います。

 それでもやりたければ、コメント欄よりはスカイプなどリアルタイムなシステムを利用した方がまだしも良いだろう、というのがぼくの意見です。

 しかし、くりかえしますが、何も禁止はしないので、やりたければ他のやり方でもやってもらってかまいません。