締め切りに追われないと書けない

みなさんどうもお久しぶりです。7ヶ月ぶりくらいですかね。


全く顔を出さない間にどこかの新人賞に投稿を済ませていた……となれば格好も付くものですけれど、実のところは自己紹介記事で宣言した題材については数行しか書いてません。


では何をしていたかと言えば、同人小説を書いてました。
5月のヤンデレオンリー向けに短編と掌編を一本ずつ、8月の夏コミ向けに短編を一本、そしていまは11月頭の某オンリーに向けて短編を執筆中。11月の頭に同時に冬コミの当落通知があるので、受かっていればそのまま冬コミ向けの新刊の作業ですね。


こんなに同人小説は書けるのに、どうして新人賞向けの話が書けないか。
単純な長さの問題もあります。俺がこれまでに書いた一番長い話でも約70枚で、標準的なラノベ一冊ぶんに比べるとだいぶ短めです。これくらいが自分の脳内で一塊として扱えるテキスト量の限界なんですよね……


だけど、同人だと書ける最大の要因は恐らくイベントの開催日から逆算される明確な「締め切り」があるから。


頒布物無しで即売会にサークル参加できるほど、俺は面の皮が厚くできていません。
抽選をくぐり抜けてサークル参加の権利を得たコミケ、何も用意できないなど自分が押しのけた他のサークル参加志望者達に申し開きができません。
新刊が出来なかったのなら欠席すればいいじゃないか、ペーパーでも無料配布すればいいじゃないかって? 一度その誘惑に負けてしまえば、あとは坂道を転げ落ちるように堕ちていくことが予想できるからこそそれは絶対に出来ない行為です。
自分一人で書いていた場合でこれだけのプレッシャーがあるのに、表紙イラストを絵描きさんに依頼したりすれば更に逃げ道は狭まります。
汗水垂らした成果であるイラストをもらっておいて、自分がさぼって本を出せないなんてあり得ませんよ。


そして何より、事前にサークルチェックをして訪れてくれる一般参加の皆さんに対して頒布物が無いことをいくら謝っても謝りきれないのは言うまでもありません。
なので同人の場合は絶対にやり遂げなければならない締め切りが設定されるのです。それがあれば、俺は書ける。



対照的に、新人賞の原稿は期限までに完成しなくとも迷惑が誰にも掛からないんですよね。傷つくものと言えばせいぜいが名誉くらい。
「書き上げられなかったけど、まあいっか」で済ませられてしまうために、どうしても新人賞に向けてのモチベーションが上がらないのです。
もともと小説家になりたいという欲求はほとんど無いですしね…… 文章を書くこと自体は大好きでいくらやっても飽きないのですけれど。


だからこそ、ラノベ一冊分の文章を書いて賞へ投稿できる皆さんがとても羨ましかったり。
「次の電撃の締め切りまでに一冊分の原稿が完成しなかったら○○」という精神的なプレッシャーがないと、たぶんこの先ずっと投稿用の原稿が完成しない気がします。どうすればいいのやら。



……と、ここまで書いてきましたがこのままでは本ブログの趣旨にあまりにも添わないので過去作晒しをしてみます。
http://d.hatena.ne.jp/a-park/files/C75_yandere.pdf
5月のヤンデレオンリーで出した本の原稿です。発行分を全部売り切って、再版の予定もないので全編を公開してみました。こんな話をいつも書いてますってことで。